本日、遠距離用の眼鏡を受け取りにゆく。通常の遠距離用の度の補正に加えて、左右Δ1づつの垂直方向のプリズムが入っている。某眼科では、「遠距離用のは今のと同じ補正にしておきましょうね〜」といわれて処方せんを受け取ったのだが、その処方せんでは今の眼鏡とおなじΔ2のプリズム(左右Δ1づつ)入っていた。今の眼鏡はΔ1.5プリズムが正しいので、この眼鏡のプリズムの測定を某眼科は間違えていたようだ。
近距離用の旧眼鏡には左眼に乱視とΔ1.75 upのプリズム、右眼にΔ0.75 downのプリズムが入っていた。足すとΔ2.5づつ補正されることになる。やはり、左右のプリズム量が異なると、わたくしの場合は乱視も相まって違和感が増強されるようだ。残念ながらこの眼鏡は作り替えをお願いした。
「左右のプリズム量に関してはいろんな公式(シェアードやパーシバル)があるけど、上下に関してはないんだよね。上下はズレた量を全部補正することになってるから。」どうやらそうらしいのだ。では、プリズムを入れない状態で、生体はどのように上下の眼位のズレに対処しているのか。それは、「融像」というテクニックを用いている。つまり、上下の眼位の差がある以上、左右の眼で見ている像は上下方向にズレているのだが、それを頭の中でひとつの像に融合することができるのだ。視るという行為は、眼だけでなく、頭(後頭葉)も活発に働いているものだ、というのがこれをみてもわかる。
「では、近距離での上下斜位が融像でどのくらい補正されているのか、念のためみておきましょう。」
いうまでもないが、もちろん眼科ではここまでの視機能検査は行わない。検眼は、あくまで眼じたいに病気がないかどうかの目的で行われるものだからである。
検査法は、上下のプリズムを入れ、わざと眼位を偏位させて、どのくらいズレると融像がはたらかなくなるのかをみる検査である。つまり、眼の機能ではなく、頭の機能をみる検査ということだ。その結果、かなりズレても融像力ははたらいていることがわかった。
「上下方向の融像力からみて、中間はΔ2.37くらい、だからプリズム量としてはΔ2~Δ3くらい補正するといいことになるね」ということで、現在のΔ2.5という量が妥当であることをあらためて確認した。逆に、新しい眼鏡のΔ2という補正の量でも問題はないということになる。乱視が入る分、遠距離用の眼鏡よりもさらに違和感が加わるために、遠距離と近距離の眼鏡のプリズム量を同じにしてもらうほうが、掛け替えのときの違和感が減ることが予想された。
結局、新しい眼鏡は左眼が乱視にΔ1 upのプリズム、右眼がΔ1 downのプリズムとなる。つまり、プリズム量は新しい遠距離用のものと同じようにつくってもらった。
さて、この新しい遠距離用の眼鏡だが、わずかΔ0.5のちがいとはいえ、結構違和感がある。長年Δ1.5のプリズムに慣れてきたためだ。とりあえず、慣れるためにはきつくても連日かけると頭が慣れてきてくれるはずだ。しかし、もう年なので(冗談ではなく)二週間から一ヶ月くらい慣れには時間がかかることは覚悟しなければならない。計算上は、以前のプリズムよりも外眼筋には負担がかからないはずなのだ。