
村上春樹訳の本書が爆発的に売れている、という記事を、以前に書いた。読む動機はともあれ、古典が何らかのきっかけで光が当てられ、その価値が再認識されるということは、喜ばしいことだと思われる。
昨日の読了
スコット・フィッツジェラルド/村上春樹訳「グレート・ギャツビー」中央公論新社 B
B評価は辛い? 優れた小説であることは否定しない。また、主人公のギャツビーが、ある意味自分に重なって見えたことも事実である(笑)。
訳者の村上氏は、自分にとって大切な小説を三つ挙げているが、では自分にとっては何だろう、と考えてみる。うーん、むずかしい質問だ。
伊藤整「氾濫」は、絶対に入れる。あとは、日本人なら、埴谷雄高「死霊」にするか、武田泰淳「森と湖のまつり」にするか、悩む。外国人なら、やはりソルジェニーツィンにするだろう。「イワン・デニーソヴィチ」か、「ガン病棟」か、「煉獄の中で」か、これも悩むところだ。
この筆者の選択基準からすれば、本書をB評価にした理由がわかるのではないだろうか。無論、AやSにしてもよい小説だとおもう。