
今週はまた明日より天気が崩れがちになるようだ。
さいきん、読書に対する集中力を欠いていたのだが、少なくとも表題作については、400ページを三時間強で一気に読了してしまった。復活か?(笑)
一昨日・昨日の購入 なし
ほんとうはいくつか買いに行こうと思っているのだが、なかなか本屋に足が向かない。塩野七生の「ローマ人」シリーズも、宮城谷昌光の「三国志」もなかなか刊行されないし。
フランスの構造主義マルキストのアルチュセールの「再生産論」が全訳されたのが目につく。また、白水社からカフカ全集が文庫化されたようだ。これは全部揃えても6000円くらいで済むようだから、入手してもよいところだろう。
一昨日・昨日の読了
ヘレン・ミアーズ「新版・アメリカの鏡・日本」角川学術出版 A
この本はまず外装からして読む気を削ぐ。あの元NHKキャスターで現ジャーナリストのS井Yしこ女史が推薦文を書いているからだ。筆者は彼女と以前に個人的面識がちょっとだけあったが、日本のジャーナリストの代表のような感じだった。つまり、報道の社会的意義よりも売名、話題性を重視するという取材姿勢なのである。また、政治的にもはっきり右であることも気にかかる。最近の語録には、安倍晋三に対して期待を表明したり、東条英機を「古武士の風格を感ずる」と言ってみたり、というものが目立つ。また、序文で以前この本を出版した会社の社長が気負った推薦文を書いているのも嫌味だ。
本書の主題をひとことでまとめれば、「戦前の日本は西洋諸国を手本として外交や軍事を行ってきたのだから、日本を罰することは自分たちに跳ね返る」というものだ。つまり、これは強調しておきたいことだが、本書はあくまで西洋人のために書かれた本であり、日本をはじめとするアジア諸国の人びとのための本ではないことである。この主題を、戦前の日本を正当化するために使用したいひとびとが大量に存在することはわかるが、そういうひとたちに逆に言いたいのは、「この本の主張をまともにとると、戦前の日本はひたすら西洋のマネをした主体性のない存在だったのだよ」ということになるのだ、ということだ。だから、本書を戦前の日本の正当化のために使用する、ということは、根本的な誤読と言えるだろう。
では、本書の記述によらないとするならば、どのように戦前・戦後日本を考えていったらいいのだろう。前にも書いたが、日本はポツダム宣言を受け入れ、サンフランシスコ和平条約に調印したのだ。ということは、東京裁判や押しつけ憲法、GHQの内政干渉がいくら国際慣行からして穏当ではなくても、それに対して疑念を(すくなくとも表だって)表明することはできない、というのが筆者の立場である。問題はその後の日本政府の対応だ。戦後六十年経ち、未だに米軍の駐留を許しているのは(それもイギリスやドイツとはその規模がかなり違う)どういうことだろうか。
ほとんど近年の日本はアメリカにとっての金づるでしかない。さまざまなところにアメリカの代理としての膨大な支出を要求されている。これは国辱というみかたもあろうが、紛れもなく日本人のQOLを損なう行為だ。そんな余計な出費がなければ、国債の償還も容易になるだろうに・・・
「国の誇り」を云々するまえに、憲法九条を改正しようと改正しまいと、すでに自衛隊が存在するのだから、普天間基地移設と言わずに(撤退させるならカネを払えと言う米軍の厚かましさもたしなめる必要がある)将来の完全撤退を目標に(ソ連が健在であった冷戦時代にドイツが米軍基地を必要としたような軍事的な価値が今の極東にあるだろうか? 北朝鮮や中国に対して沖縄は抑止力になっているのだろうか?)政治交渉を進めてゆくのが、責任ある政治家の仕事と言えるはずなのに、まったくそれを構想しようという人物が皆無なのは(それがむずかしい理由はよくわかった上で書くのだが)やっぱり困ったことと言えよう。つまり、筆者は、「国の誇り」とか「国家の品格」というものがもし必要だとしたら、それらを損なった戦犯は、戦前の軍国主義者でも、戦後のサヨク民主主義者でもなく、基地を存続させてしまった戦後の自民党の政治家たちこそそれに該当すると考えているのだが。
>山村さん
「困ったものですね」以外のコメントを一晩考えてみましたが、見つからなかった・・・
コメント (1)
「S井Yしこ」も「戦後の自民党の政治家たち」も困ったもんだ...。
投稿者: michiaki01 | 2006年04月09日 18:45
日時: 2006年04月09日 18:45