« 国家の自縛 | メイン | 体調 »

診療拒否

 「『小児科医いない』と断る=国立病院が警察の診察要請に−柊羽ちゃん、市立病院へ」という見出しだが、ではこのばあい、診察要請を受けなくてはいけないのだろうか。
 生後数日の新生児を引き受けて対処を間違えれば訴えられ、断ると非難されるとしたら、どうしようもないよね。
 もう独立行政法人なのだから、「国立だから小児科医を置け!」という批判はおかしいだろう。経営上赤字になることが必然的なのだとしたら、それは独立行政法人ではなく、厚労省の管轄とすべきだろうから。それが公的サービスというものだろう。
 どうも、民営化の大合唱で、ペイしないサービスまで民間に要求することが当たり前みたいな風潮になっているが、だとしたら政府など必要ないのではないだろうか。じっさい、軍隊や刑務所も民営化している国だってあるし。

>山村さん

 ここの論点はふたつあって、
1)専門外でハイリスクのものを断るのは人道(医道)に反するのか
2)国立病院(独立行政法人だけど)は、あらゆる救急患者を受け入れるべきなのか
で、おおくの医師は、1)に関しては、断るほうが人道的だという判断を下します。それは、自分が適切な医療を提供できないと考えるからです。すると、患者にとっても、自分にとっても、両方よいことになる。
ただ、この記事の目的は、2)にイエスと答えたいもののようですから、その場合は
A)公的病院は、24時間ありとあらゆる急患に対応できるようにすべきである
というテーゼとなります。
いわゆる一次救急であっても、新生児の診療ができるのは小児科医のみであることはまちがいないので、すると小児科医を確保する必要があります。この数の絶対数を増加させるには、卒後の進路を法律で自由に選べないようにすることになりますが、すると人気のない科には成績のわるい、ロクでもない医師が大量に進むことになります。
 あらゆる急患に対応しなければならない、ということは、小児科医を常駐させろ、ということになりますが、当然ながらコストがかかります。小児科救急専門の病院をつくったほうがまだ合理的でしょうが、果たして小児科医が確保できるかどうかも疑問です。

 ご指摘の点においてひとことしておきますと、東京にかんするかぎり、官>民です。東京の病院の頂点は国立国際医療センターと国立がんセンターのふたつで、どうがんばっても民間病院は太刀打ちできません。資金が潤沢で人材を豊富に擁しているからです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://out-of-date.info/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/734

コメント (1)

michiaki01:

民=良、官=悪
ってのが流行りだけど、暴論だね。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2006年01月09日 00:25に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「国家の自縛」です。

次の投稿は「体調」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。