
筆者はレコード(CD)を購入するときに、輸入盤を買うことが多い。国内盤も多くは輸入盤に日本語の解説を付けただけというお粗末なものも多いから、そういうものはせっかく日本語の解説や訳詞が付いていてもあまり読まない。
さて、Lynyrd Skynyrdの2nd albumの"Sweet Home Alabama"は、かのNeil Youngの"Southern Man"へのアンサー・ソングとして知られている。Neilの"Southern Man"は、今もなお残る人種差別を糾弾した歌と思われるが(この中の"crosses"は、十字架ではなくて、この南軍旗を指したものだろうか?)、それに対してLynyrd Skynyrdが歌うこの歌は、典型的な(右翼的)パトリオティズムに満ちていて、部外者の筆者にとっては、聴いていてとても面白い。「ニール・ヤングにはこの地には足を踏み入れて欲しくない」なんだそうな。「ニール・ヤング氏には、この地には善良なひとびとがたくさんいることを知って欲しい」のくだりも、正直言って笑ってしまう。
しかし、こんなのを面白がって聴くようでは、筆者のロック人生(笑)も終わりかな。誰か、レオン・ラッセルとか好きなひとはいませんか?
昨日の読了
庄野潤三「夕べの雲」講談社文芸文庫 B
戦後を代表する名作のひとつ。江藤淳の出世作「成熟と喪失」でも取りあげられていたはず。一読するとマイホームパパの園芸奮闘記のように読んでしまいがちだが(そんな読み方をするのは筆者くらいか)、所々に「戦前」が透けて見える。周知の通り、戦後文学、特にいわゆる「第三の新人」と言われる世代においては、戦争との拘りをダイレクトに出さずに、一見すると内向したかのような表現とテーマを追求したものが多かった(古井由吉の「杳子」、小川国夫の「アポロンの島」そして安岡章太郎の「ガラスの靴」(は、まだ読んでないや)などが代表的なものだろう。ちょっと前の埴谷雄高、武田泰淳、そして大岡昇平といった、直接間接に戦争を取り扱った作品とは一線を画している(そうそう、「真空地帯」の野間宏を忘れてはなるまい)。一見、平和な家庭生活と、四季折々の微妙な変化を描いているだけのように見えて、もっと奥行きのある作品にみえるのは、きっとその通りなのだろう。
そういえば、前回触れるのを忘れたが、橋川文三の「昭和維新試論」がちくま学芸文庫に収録されることになったようだ。石原慎太郎=中曽根康弘を経て、今の小泉から安倍に至るまでの自民党の「改革」のルーツは、いうまでもなく安倍の祖父に当たる岸信介をその代表とする戦前の「革新官僚」にある。そして、彼らとその方向性は異なるものの、5.15や2.26で決起した若手将校らが唱えたスローガンも「昭和維新」であった。「改革」や「改正」ということばによいイメージを持つ国民が多いと思われるが(それはもちろんマスコミの影響も大きい)、筆者にとっては、この「維新」という言葉も含め、戦前の全体主義を彷彿とさせる言葉であり、とてもプラスのイメージは持てない。橋川の著作は、もう一度読み直されるべきである。